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センターオブジアース

いきなりですがクイズ!!

この石はなんという石(包含で)でしょう?

3つすべて色が違いますが、同じ〇〇岩という名前で呼ばれます。

 

正解は下の方で発表します。

 

いろいろな種類の石

玄武岩(火山岩)

プレートテクトニクスと連動する火山の噴火。マグマが地表または地表付近(海中含む)で固まったもの

斑れい岩(深成岩)

プレートテクトニクスによるマントル溶融。マグマが地下で固まったもの。

チャート(堆積岩)

ケイ素(シリカ)の殻を持つプランクトン・放散虫の死骸が堆積して固まったもの

凝灰岩(堆積岩)

火山灰・火山砕屑岩が

堆積・固結

または高温度のまま堆積して固結したもの


石のでき方による分類

石ってなんなんでしょう?

 

 石の種類は『火成岩』『堆積岩』とその2つから変化した『変成岩』と出来る過程で大まかに3つに分けられています。

火成岩が風化して砂や泥になり、堆積したものも堆積岩(砕屑岩)です。

一度できた石が、熱や圧力・水で変成したものは変成岩と呼ばれます。

火山砕屑岩(凝灰岩・)は一般的に堆積岩に含まれることが多いですが、一見火山岩によく似ているものも多いです。

 

水が巡るように石も巡っているのです。

巡る過程の中で鉱物同士がくっついて固まるって石になります。

そうして出来上がって分類されて名前がつきます。

さらに通称「十勝石」←黒曜石があったりして、???となってしまいます。

ややこしいですね(笑)

 

すごく簡単にしてしまうと、石の元となる素材(?)は2種類です。

生物由来(カルシウム・石灰岩/チャート等・放散虫ケイ素)堆積岩の中でも生物岩と呼ばれる。

地球の構成物質由来(それ以外のプレート・大陸となる岩石・火山・その後の礫)

 

由来のもとを理解して見ていくと思うより簡単に石が見分けられるようになります。

さらには石をみることでその場所の成り立ちが想像できます。

石を知ることはその地域の歴史を辿ること、石には地球の時間が詰まっています。

 

今回はセンターオブジアース

地球の構成物質由来の中でもマントル由来の火成岩を詳しくみていきたいと思います。


深成岩は等粒状組織火山岩は斑状組織

 

火山岩と呼ばれる岩石は噴火や地表付近で急速に冷やされ急激に固まった状態です。マグマ溜まりの中では融点の高いものから順に結晶化が進みはじめ(晶出)。マグマの中にすでに斑晶と呼ばれる結晶が出来上がっています。斑晶を含んだマグマが噴火で急速に冷やされると斑晶以外の成分はごちゃ混ぜのまま固まってしまいそれが石基と呼ばれる石のベース部分となります。この斑晶と石基の混在する状態を斑状組織といいます。

深成岩と呼ばれる岩石はマグマが地下でゆっくりと冷えて固まって出来ます。

斑晶として晶出した鉱物結晶が結合して岩石になります。

鉱物結晶が結合して出来上がった岩石の状態を等粒状組織といいます。

 

地球上ではプレートテクトニクスにより、つねに大陸プレート(花崗岩・軽い)の下に海洋プレート(玄武岩・重い・水えを含み冷えている)が潜り込んでいきます。その結果沈み込んでいった海洋プレート上部のマントルが溶融して、マグマ(溶けたマントル)が出来ます。(図1)

冷えたプレートが潜り込んでいってなぜマントルが溶けるのか?海洋プレートに染み込んだ水が、圧力を受けて染み出し、水分が混ざることによってマントルの融点が下がるからです。マントル(岩石)に水が混ざる?

「???」です。難しく詳しいお話はここではおいておきますが、

飴をお鍋に入れていきなり火をかけても、溶けないでなべが焦げます。水飴を火にかけるとすぐに溶けます。

飴=岩石。水飴=水を含んだ岩石 とするとイメージしやすいのではないでしょうか?

出来上がったマグマは圧力により地表へ上がっていきますがある程度の部分で止まります。

これがマグマ溜まりです。溜まったマグマは周りの岩石に影響を与え、与えられながら基本はゆっくりと冷えていきます。

冷えていく過程で斑晶として生まれた結晶は沈下し、岩石へと成長していきます。

・途中新たなマグマの供給を受けたり、周辺地殻の影響で圧力が上がって噴火すると火山岩になります。

 

結晶分化作用でマグマの性質が変わる

 

海洋プレートは地球深部のマントルから直接出来た火山岩で玄武岩です。

一般的な火山の噴火時には性質はいろいろですが、マントルから直接出来た時点ではマグマはみな玄武岩質なのです。

マグマ溜まりの中で高い温度から順に晶出する結晶が沈降、集積していくことで、マグマの性質が変化していきます。

これを結晶分化作用といいます。

 

 深成岩の生成における『ゆっくり冷えてできる』というのは、『晶出した結晶が固まって岩石になる』ということです。

全てが岩石になる前に噴火などで外に出れば火山岩。冷えるにつれ晶出によりマグマの性質も変化し、できる岩石の性質も変化していきます。(図2)

 

※溶岩・深成岩の捉え方は研究者によって色々あり画一ではありませんでした。

図2の作図に当たって自分が納得しその上でわかりやすいと思う状況を再現してあります。

 

※マグマ溜まりの環境は 一辺倒ではありません。周辺地殻の影響をうけるなどして、同じ玄武岩質といっても性質は均一ではなく、晶出する結晶や量・タイミングなど様々に変化していきます。

図2は標準的な結晶分化作用の説明になります。

図1

マントル由来岩石形成過程 ©︎高橋伽観
マントル由来岩石形成過程 ©︎高橋伽観

図2

結晶細分化作用とマグマの性質 ©︎高橋伽観
結晶細分化作用とマグマの性質 ©︎高橋伽観

図3

深成岩形成モデルと構成元素 ©︎高橋伽観
深成岩形成モデルと構成元素 ©︎高橋伽観

記事内の画像は岩石・鉱物『科学専門イラスト』タブからアドビストック経由でダウンロードできます

火山岩

玄武岩(美笛) 火成岩・火山岩

ケイ素の割合が少ないマグマが地表で固まってできた岩石(海洋プレート構成岩)主に黒色・濃灰/灰/赤・緑(古)(水)

カンラン石・輝石・斜長石・磁鉄鉱を含む


安山岩(浜益南部) 火成岩・火山岩

玄武岩よりケイ素の割合が多い(53~63%)主に灰色/赤(鉄)〜黒(急冷)

斜長石・輝石・角閃石・黒雲母を含む/有色鉱物が少ないものも多い


流紋岩(望来) 火成岩・火山岩

ケイ素の割合が多く70%以上のもの(玄→流とケイ素の割合が増えるにつれ石基の色は白くなる)灰色・赤・黄褐・薄緑・薄紫

斑晶は石英・石英球顆まれに角閃石・黒雲母を含む



深成岩

斑れい岩(厚田) 火成岩・深成岩

玄武岩質マグマから晶出・沈下して固まったもの斜長石や輝石が大部分をしめる。

白と黒の鉱物の割合が半々で、やや細長い米の様な斑点をがある

この写真の岩石は斑れい岩、半分閃緑岩くらいで結晶しています(写真1左上・写真2下部あたりが斑れい岩)

有色鉱物は主に輝石(稀に角閃石・カンラン石)無色鉱物は斜長石のみ/拡大すると黒い部分が輝石であるとわかる


閃緑岩(美笛) 火成岩・深成岩

安山岩質のマグマから晶出・沈下して固まったもの。

斜長石は多く残るものの輝石は沈下して有色鉱物が角閃石に変わる。

カンラン石は本来早く晶出沈下するがこの石では残っている。

無色鉱物は斜長石(カリ長石は含まない)有色鉱物は主に角閃石。

無色鉱物に石英を含まないものが閃緑岩。

含むものは石英閃緑岩(石英・斜長石・角閃石)トーナル石(石英20%以上・斜長石・角閃石

斜長石の沈澱が進むと無色鉱物として石英だけが残っていく。


花崗岩(厚田) 火成岩・深成岩

デイサイト〜流紋岩質のマグマから晶出・沈下して固まったもの。

主に4種類の肉眼で見える無色・有色鉱物結晶からなる

無色鉱物/石英・斜長石・カリ長石 

有色鉱物/黒雲母(カリ長石はピンク色、また少量角閃石を含む場合もある)

カンラン石・斜長石・輝石・角閃石までが晶出して、残った成分が緻密に結びついている



下の絵は地球を構成する鉱物です。

地殻を掘り抜いてマントルに到達することのできた人間はまだいません。

マントル上部の鉱物はプレートの運動や、火山の噴火などで、地表に現れるので手に入れることが出来ます。

それより深い地球の内部を構成する鉱物を調べるにはどうしたら良いでしょう?

高圧・高温をかける実験を行うことで、とうとう最下部マントルの構成鉱物がわかりました。

そして今現在核のに含まれる鉄以外の軽元素を調べるべく実験は続いています。

この高圧実験に使用するダイヤモンドアンビルセルは、日本の職人さんの技術があってやっと地球最深部同等の高圧をかけることに成功しました。

この話は「カセキじいちゃんは本当にいた!!」として旧ブログにて紹介させていただきました。

地球深部のお話は「地球の中身」に詳しいので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

地球内部の岩石 ©︎高橋伽観
地球内部の岩石 ©︎高橋伽観

最後になりました!!クイズの答えです

正解は『凝灰岩』(包含)でした!!

溶結凝灰岩などは火山岩で良いような気もする、なんとも収まりの悪い石たち。

センターオブジアースの仲間にも分類できないので、クイズで紹介してみました。

一応細かくわけると凝灰岩(白)・溶結凝灰岩(赤)・凝灰質砂岩(緑)となります。


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