石英 quartz SiO2
地殻で2番目に多い元素がケイ素Siです。
1番目に多い元素酸素02と結びついた石英SiO2や、ケイ酸塩鉱物SiO4として
地殻のおよそ7割を構成します。
鉱物としてはみな同じ石英ですが、
綺麗な六角柱の結晶を作ったものは『水晶』と呼ばれ
縞模様が浮き出たものは瑪瑙と呼ばれます。
堅苦しい鉱物だけのお話ではつまらないので「宝石」として扱われる鉱物の生まれる場所を見ていきましょう
ルースと呼ばれる研磨・カットされた宝石です。
この様にルビーは加熱により鮮やかな発色になり、トパーズは放射により、透明や薄いイエローからブルーに変わります。
これらの加工は『処理』であって『人造』ではありません。
岩石の形成には『火成岩』『堆積岩』『変成岩』があります。
この中でも『変成岩』『ペグマタイト(深成岩)』の中に宝石と呼ばれる鉱物が多く産出します。
変成岩のできる場所では
岩石が、高圧・高温という条件下で、成分の交換が起きたり、再結晶したりすることで新しい鉱物になります。
ペグマタイトというのは、溶岩の主となる鉱物が晶出し固結した後残った成分が固まった場所です。
主となる鉱物=溶岩/地球にたくさんある元素からなる鉱物。
主とならない(希少な元素)を含む鉱物=希少な鉱物→宝石。
という構図です。結局宝石もケイ酸塩鉱物が多いので、本当に微少な元素が宝石としての『価値』になっています。
マントル由来の火成岩中に生まれる宝石
カンラン石 Olivin (Mg,Fe)2SiO4 ペリドット
カンラン石の中で大きく美しいものはペリドット(宝石)として扱われます。
ほぼカンラン石からなるカンラン岩はほぼマントル。
地球の奥深くに行くにつれて、圧力を受けて構造が変わり、鉱物としては変わっていきますが、酸素・ケイ素・マグネシウム・鉄からできていることには変わりません。
火成岩中に生まれる鉱物はペグマタイト・接触変成岩中に生まれることもあります。
ガーネット 苦礬柘榴石パイロープ Mg3Al2(SiO4)3/鉄礬柘榴アルマンディンFe3Al2(Sio4)3
/満礬柘榴石スペサルティン Mn3++Al2(Sio4)3
ジルコンzircon ZrSiO4 大きく結晶したものは珍しいが、微細な結晶は火成岩中に常に含まれる
ペグマタイト中に生まれる宝石
ペグマタイトとは、マグマの主な成分が一般的な深成岩として固まったのち、残った部分が固まったものです。
マグマは温度が高いうちは周辺の岩石を溶融させ成分として取り込みます。斑晶としての晶出による結晶分化作用だけでは説明できない、溶岩の性質はそのことで説明できます。そうやって周辺地形の影響も受けながらできた残液の中で希少な鉱物が生成されます。
ベリル(緑柱石)
ペグマタイト中に生成する鉱物の中には接触変成岩・火成岩中に産出する場合もあります.
鉄電気石 schorl NaFe3++ Al6 (Si6O18,(Bo3)3(OH)3OH トルマリン
ベリル beryl Be3Al2Si6O18 宝石としては色でエメラルド・アクアマリン・モルガナイトなどと呼ばれる
蛍石 fluorite CaF2 フローライト・蛍石
トパズ(トパーズ) topaz Al2SiO4(F,OH)2
接触変成岩中に生まれる宝石
スカルン鉱物
スカルン鉱床
金属鉱物が多く生まれる
灰(Ca)を含む珪酸塩鉱物はスカルン・または変成岩中に生まれることが多い
ガーネット 灰礬柘榴石グロシュラーCa3Al2(SiO4)3
透輝石 diopside CaMgSi2O6 緑色の濃いものはクロムダイオプサイトと呼ばれ質の用意もの宝石の扱いになる。
紅柱石 アンダルサイトAl2SiO5 ホルンフェルス中に産状する。透明で美しいものは宝石として扱われる。
その他
スカルン鉱物
(Ca,Mgを多く含むケイ酸塩鉱物)
ベスブ石・斧石
広域変成岩中に生まれる宝石
高い圧力を受けて形成される鉱物
コランダム corundum Al2O3 ルビー(Crイオン)サファイア(その他)
翡翠輝石 jadete NaAlSi2O6 翡翠
尖晶石 spinel MgAl2O4 スピネル
限られた場所でしか産状しない鉱物
多くの鉱物は似た環境・似た組成が揃うことで結晶するため、産状が限定するものは少ないのですが、主な産状が限定するというものもあります。
それはその「組成と環境が揃う場所がそこにしかない」という場合です。
場所を限定し、そこにしかなく、土地の名前のついたものも多くあります。
蛇紋岩も「変成岩」ですが広域とも接触でもない独自の変成作用の働きによるものなので、一覧からは外しました。ダイヤモンドも産状は地上へのほぼキンバーライトによるものですが、産出は広い括りでは火成岩、微小なものは超高圧変成岩・隕石と幅広くなるため外しました。
広域変成岩
緑マンガン鉱
藍晶石(カイヤナイト)
十字石
糸魚川石
翡翠輝石
灰簾石(ゾイサイト)
灰簾石(タンザナイト)
南部石
原田石
接触変成岩
菫青石(ホルンフェルス)
滑石
チャロ石
ペグマタイト
氷晶石
リチア電気石
リチア輝石
リチア雲母
酸化帯
菱亜鉛鉱
白鉛鉱
藍銅鉱(アズライト)
孔雀石(マラカイト)
手稲石
コバルト華(エリスライト)
マンガン鉱床
東京石
豊石
熱水鉱脈
自然水銀
自然テルル
針銀鉱
スカルン
ベスブ石
ラズライト(ラピスラズリ)
逸見石
火成岩
灰長石(ラブラドライト)
霞石
中沸石(火山岩)
スコレス沸石(火山岩)
輝沸石(火山岩)
大隈石(火山岩)
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